GreenList

グリーンリストについて

 

GreenListは、日本の野生維管束植物のリストで、主に環境省による絶滅危惧種調査の基本台帳にするものとして作成されているものです。これまでの維管束植物のRed Data BookおよびRed Data Listの基本台帳は、九州大学の矢原徹一教授により管理されていましたが、新分類群の発見や属の定義の見直し、国際的に被子植物の分類体系がAPG III体系への移行しつつある事などに対応して、新たに日本植物分類学会の会員有志により編纂を行う事にしました。

 

学名の採用に関して

 どれが正式な学名であるかは、分類群概念(タクソン・コンセプト:どのまとまりを属や種などとみなすか)の問題と、国際命名規約の解釈上の問題があり、研究者の間で意見が一致しない場合があります。GreenListでは、日本の分類学者に協力を得て学名を採用していますが、複数の意見がある場合は九州大学の矢原徹一教授の見解を尊重しました。

 属の概念に関して、分子系統学的解析の結果、従来の形態による認識とは異なる意見が出されている場合があります。また、属を広く取るか狭い範囲に留めるかについても難しい問題です。GreenListでは、こうした意見の相違のある属について以下のように扱っています。

 カンアオイ属 Asarum: HeterotropaをAsarumに含めた属概念を採用します。

 サクラ属 Prunus: CerasusをPrunusに含めた属概念を採用します。

 ツツジ属 Rhododendron: ヨウラクツツジ属 Menziesia をRhododendronに含めた属概念を採用します。

 ササ属 Sasa: SasamorphaとNeosasamorphaをSasaに含めた属概念を採用します。

 なお,従来はキク属にDendranthemaが使われていましたが,タイプの変更によりChrysanthemumが正名となっています。シュンギクの正名はGlebionisとなりました.

 

裸名について

 GreenListは、絶滅危惧種の基本台帳になる目的で作られているものであるため、まだ学名が正式に発表されていない植物も含めています。この際はnom.nud.というラテン語略語が学名の最後についています。また、属や種の組換が正式に発表されていない植物に関してはcomb.nud.という語が付けてあります。

 

バージョンについて

 本リストは順次改訂を行います。そのため、バージョン管理をしますので、使用しているのがどのバージョンかにご注意下さい。

 

スペルミス等の誤りについて

 もしスペルミス等の誤りを発見した場合は、伊藤(cmito@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp)までご連絡下さい。確認後にErrataとして公開します。変更がある程度多くなったら新バージョンとしてリストに反映させます。/p>

 

ライセンス等

 本リストは日本植物分類学会の会員有志により作成されていますが、先に述べたように分類学的取り扱いについては研究者により異なる見解があります。そのため、日本植物分類学会により正式に承認された和名および学名ではありません。また、本リストに誤りがあることは十分に考えられますので、それにより使用者が不利益を被っても当方は関知しません。そのことへの同意の基に本リストをお使い下さい。なお、ライセンスはクリエーティブコモンズのCC0 1.0で提供します。

 

引用が必要な場合は以下のようにお願いします。

被子植物・裸子植物のGreenList

Ito, M., Nagamasu, H., Fujii, S., Katsuyama, T., Yonekura, Ebihara, A., Yahara, T. 2016. GreenList ver. 1.01, (http://www.rdplants.org/gl/)

シダ植物のGreenList

Ebihara, A., Ito, M., Nagamasu, H., Fujii, S., Katsuyama, T., Yonekura, Yahara, T. 2016. Fern GreenList ver. 1.0, (http://www.rdplants.org/gl/)

 

日本植物分類学会 植物データベース委員会&絶滅危惧植物第一委員会有志 (文責)伊藤元己